病院案内
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 当院は眼科診療に力を入れており他院からの紹介が多いのが特徴です。その中で最も紹介が多い眼科疾患は、白内障と緑内障ですのでそれらについてご説明いたします。

緑内障とは?

 緑内障は、眼内圧の上昇を特徴とする一連の病気です。激しい痛みに加えて、視覚にとって極めて重要な組織である視神経に永久的なダメージを与えます。

よって緑内障は一般的には緊急疾患といわれ早急な治療が必要です。正常な眼球は、毛様体と呼ばれる組織から産生される液体(眼房水)によって一定の圧力が保たれています。この液体は眼内の構造物に欠かせない栄養を供給すると共に、視覚を保つために眼球の "ふくらみ・形" を持たせる役割をしています。

この液体は常時産生され、その量と同じだけ排出(虹彩角膜角を通して)されなければなりません。何らかの理由によりこの "排出路" が閉塞した時、液体量が増加して眼内の圧力は正常値(15~25mmHg)を超えて上昇します。これは自転車のタイヤに空気を入れるのに似ており、入れられた空気の量に見あってタイヤの圧を上昇させます。 眼圧計この圧は眼圧計を使って測定します。

緑内障は、原発性と続発性に分類されます。原発性の緑内障は常に犬種(例えばコッカー・スパニエル、バセットハウンド、日本では柴犬?その他多くの種類)に関連した遺伝性の "排出路"の異常であり、液体の過剰な産生が原因ではありません。猫ではこのタイプの緑内障になることはありません。不幸にも原発性の緑内障は、約50%の確率で一方の眼球が診断されてから平均6ヶ月程で反対の眼もおかされることから、最近では両側性の病気と考えられています。

続発性の緑内障では、"排出路"が様々な原因により"栓をされる"状態になります。ブドウ膜炎のような眼内の炎症によって出現する細胞や壊死組織が排出路を詰まらせ、結果として緑内障になります。炎症は、全身性疾患によって起こることもありますが、猫ではこのような病気によくおかされます。


緑内障の診断は?

 不幸にも緑内障の始まりは、眼圧上昇によって盲目になるまで気付かないことがあります。これは上昇する眼内圧の程度にもよりますが、数日にわたってあるいはその日の内に起こります。このことは早期発見および早期治療が何より重要であることを意味しています。診断は、内圧を眼圧計で測定することにより診断されます。


緑内障の治療法は?

 緑内障の治療において最初の重要な段階は、それが原発性なのか続発性なのかの決定です。多くの場合、これを判断することは難しいかも知れません。原発性緑内障の治療は産生される房水の量を減らし、排出される量を増加させることを目的に行われます。 多くの有効な点眼薬や内服薬があり、そして正常眼圧でまだ視覚のある眼に対する様々な推奨される予防療法もあります。しかし、このタイプの治療法は長期間の治療に有効ではなく、最終的には失敗に終わることが多いので注意が必要です。このことから房水を産生する組織(毛様体)を破壊するレーザー治療(写真、模式図)や手術により排出路を創るようなもっと攻撃的で強力な治療法が必要となります。治療法の選択は症例により様々ですので、最初の診察時にご説明いたします。

 院長は、緑内障の眼にレーザー光を応用した我が国で最初の論文を学会誌に発表し、日本獣医師会学術奨励賞を受賞しました。以来多くの病院で使用されるようになりました。