交通事故による骨折交通事故に遭った動物は異常なくらい興奮している場合が多く、決して不用意に手を出さないでください。まず意識の有無、呼吸の状態、出血の有無を観察してください。 咬まれたりしないよう厚手の手袋をしてから毛布やタオルにそっと全身を包んで動物病院へ連れて行ってください。暴れるようであれば、カゴやキャリーバック、洗濯ネットなどの中に入れてから運んでください。出血がある場合はガーゼやハンカチをあてて圧迫するなどし、骨折が疑われる場合にはなるべく患部をいじらないでください。 交通事故による他の疾患交通事故のときはその骨折した部位以外にもさまざまな問題が出てきます。頭部の外傷による頭の中の出血、脳挫傷、胸部への激しい衝突により肺挫傷、胸腔内出血、気胸、腹部では横隔膜ヘルニア、内臓破裂(ハレツ)、膀胱破裂また皮膚の感染や創傷などが起こることがあります。 動物の交通事故は人の監視下でほぼ防げると思われます。引きヒモを付けずに散歩したり、放し飼いなどをなくせばこのような事故は避けることができるのではないでしょうか。 術後管理骨折の治癒には2ヶ月程度の時間がかかります。術後すぐは痛みがあり、あまり活動的には動きませんが、その時期が過ぎると活動的になり始めます。まだ骨折が完治していない時期の激しい運動により手術で骨の固定に用いたプレートが曲がったり折れたり、ネジ・ピンにゆるみが起こることがあります。そのため術後の運動制限は非常に重要で、獣医師の指示に従ってください。 開放骨折(皮膚から骨が飛び出した骨折)による細菌感染から骨膜炎や骨髄炎を起こすことがあります。その場合には、細菌検査とどの薬が効くのかを検査する薬剤感受性試験に基づいた薬の長期投与が必要になります。 |